毎度!
Macaca Percussです!
当ブログでは「アメリカ大陸の歴史とブラックミュージックの変遷、及び貧しい環境の中から這い上がってきたInnovatorsの紹介」や「洋楽歌詞のコテコテ関西弁翻訳」などの企画を中心にまとめていく音楽関連のサイトとなっております。
今回はYGの’FTP’の和訳と、それに追随して得た情報を提供していきます。
まずは2020年5月25日、アメリカはミネソタ州ミネアポリスで起きてしまったジョージ・フロイドさんの死亡事件。
白人警官(デレック・チョーヴィン容疑者)がうつ伏せになった状態のフロイドさんの首、背中を圧迫して窒息死させた疑いで逮捕されました。
当時、フロイドさんは「息ができない」と訴えていたにも拘らず、周りの警官は誰も止めにも入らずに「言葉が出るなら息ができるじゃねぇか」と言い放って眺めていたそうです。
現在、被疑者の元警官デレック・チョーヴィンは第三級殺人(過失致死:不注意、自身のミス)から第二級殺人(とっさの判断、計画性のない殺人)に訴追されています。
さらに、この様なあからさまな殺人は第一級殺人(予め準備して殺人を企てる)に相当するだろうと弁護士からも意見が出ているようです。
アメリカではイギリス、スペイン、フランス(オランダ、ポルトガルも含む)の植民地時代からずーーーっと繰り返されてきたのがこのような人種問題。
侵略、搾取、銃殺、強姦、強制労働、抜け出せない貧困。
そんな憎悪が滲み出たYGの ‘FTP’ を和訳してみました。
では早速聴いて行きましょう。

Fuck the police, Fuck the Police, Fuck the Police,
Fuck the police, Fuck the Police, Fuck the Police,
Fuck the police, Fuck the Police, Fuck the Police,
Fuck the police, Fuck the Police, Fuck the Police,
Fuck the police, that’s how I feel
くだばれよ、おまわり。それが俺の気持ちや。
Buy Glock break down the block that’s how I feel
Glock製の銃を使ってこの腐った社会をぶち壊す。それが俺の気持ちや。
Murder after murder after all these years
殺害、殺害って毎年やないかい。
Buy a strap, bust back after all these years
毎年、防弾チョッキつけてやな。
Mommas cryin’, how they gon’ heal?
おかん、泣き叫んどるがな。
嘘やろ?なんで治らへんのよぉ〜!?って。
How you would feel?
どう思うよ?
Fuck silence, speak up bitch, this shit ill
沈黙はクソやで。声上げんかい、ビッチが。このクソ野郎が。
Big stick on me, y’all kill, we kill
こっちにはでっかい勢力があるんよ。みんな殺すで。そう、俺らはあんたを殺すんやで。
Been tired, fuck cardboard signs, we in the field
って、もう疲れたわ。なんでこんなクソみたいなカードボード作らなあかんねん。俺らは現場に立っとんじゃ!
It’s the Ku Klux cop. They on a mission
白人至上主義者の警察さんよ。あんたらの任務って、
It’s the Ku Klux cop, get hidden agendas
おい、聞いてる?白人至上主義者のおまわりさん。あなたらの任務は色んな思惑を隠す事やんな?
It’s the truth, I won’t stop
それが事実なんよ。俺は止まらんで。
Open cases, police already hate me, why not make your rich-ass
明かされる事件。俺はとっくにお前らのことは嫌いやけど、何故に俺らを貧困にさせる?
city look like trash
この街がゴミ屑のように見えるな。
To whoever make the rules, we need answers fast
ルール作っとる奴らに早よ俺らの意見を持っていかんと。
Oh they mad, fuck it, let’s make’ em mad
っておーい!あいつらも怒っとんがな。もうええ、こうなったらもっといったらんかい。
Without that badge you’s a bitch and a half
あいつらはバッジ持ってなかったら何もできんような糞やさかいにな。
Fuck the police, Fuck the Police, Fuck the Police,
Fuck the police, Fuck the Police, Fuck the Police,
Fuck the police, Fuck the Police, Fuck the Police,
Fuck the police, Fuck the Police, Fuck the Police,
Protect and serve mean suck and swerve
守りに入る奴は逃げて役に立とうとする奴は突っぱねるねん。
Police pulled me over I don’t stop, I’m scared
おまわりは俺を止めずに引っ張ってくるんや。あ〜、おっかないねぇ。
Fuck12, bitch, I got the nerves
麻取も糞。癪に障るなよ。
Fuck12, bitch, they get on my nerves
あいつらはいつも空気を入れてきやがる。
Ayy, fuck pig, fuck bacon
おい、豚野郎に糞ベーコン。
I don’t eat pork, I replaced it
俺は豚肉は食えんな、ちょっと交換してくれや。
Fuck you and your slave shit
いや、早よくたばれよ、ほらあんたの奴隷からの言葉やで。
We supposed to be free like the mason
俺らもメイソンの様に自由になると思ってたんやけどな。
I’m tired of being tired of being tired
疲れてばっかりで嫌んなるわ。ほんまに。
I’m tired of being shot at like a OPP
OPP(米国警察のコード:Other Peoples Property)みたいに撃ったろかいな。
Callin’ all the foodies from the tribe
部族ん中から全ての食通を呼んでやってもええねんど。(カニバリズム:人食いを示唆?)
We on some fuck the police shit, it’s the vibe
俺らの一部はガチでおまわりのことを嫌っているからな。 そんな感じよ。
I hate when they handcuff me
手錠をかけられのはごめんやで。
Actin’ tought, with a vest and a gun, he think he king
チョッキと拳銃を装備してこい。あいつは自分のことを王様やと思ってやがるで。
I have when they handcuff me
そりゃ、俺も捕まんのはごめんよ。
Actin’ tought, callin for back up, I think he weak
あいつは弱いきまっとるがな。あと後援も呼んどけよ。
彼はギャングスタでありますので一部、というか終始、過激な発言となっていますが、アメリカのデモ隊が全員このように考えているわけでもありません。
実際にYG自身も6月7日に10万人規模のプロテストを行なっていますが、平和的なデモを行ったと動画の最後に明記されています。
動画にあるように過去に起こった残忍な警察の行いにフォーカスして、なんとか社会情勢を変えたいという一心でデモ活動しています。
YG以外のコミュニティでもアーティストは多数参加しており、名を挙げるとKanye West、J. Cole、Machine Gun Kelly、Kehlaniなど。
そのうちのHalsey(女性シンガー)は無抵抗にあるにも拘らず警察からゴム弾を浴びせられて負傷する事態となっています。
冒頭でのキング牧師の台詞、「暴動は未曾有の事態」という言葉から、これまでずっと行われてきた有色人差別の鬱憤と言いますか、憎悪が爆発してとんでもない事態に展開するよ、っていう事を示唆している警告的な動画でもありますよね。
まだアメリカ政府は見て見ぬ振りを続けるのでしょうか?
さすがに人間性が問われます。
トランプ大統領の言及

一方、トランプ大統領は州知事に州兵の配置を命令しており、合衆国軍の投入も検討しているそうです。
さらに、デモ隊をテロ指定にすると明言されていますが、実際のところ指定できる可能性は低いようですね。
アメリカにおけるテロ指定というのは、アルカイダのような国際組織などに限定されており、国内の暴力的組織はそもそも指定が出来ないという法律があるようです。
この点も踏まえて考えてみると、トランプ大統領はただただ暴動の鎮圧だけに焦点を定めているような気もして、一般市民から見ると歯痒い思いをせざるを得ないですよね。
白人の労働者階級に手を差し伸べまくっているトランプ大統領でありますが、今まさに彼が率先して異人種間の和睦に努めるべきだと思ってしまいます。
ファシズムとアンティファ
さて、ニュースを拝見しているとファシズムやアンティファといった言葉が度々出てきます。
今日のトランプ政権は非常にファシズム的な政策をとっています。
ファシズムの特徴として挙げられるのが、
●国家利益の優先(侵略政策をとる独裁制)
●権力で労働者階級を押さえ込む(民主主義の否定)
●民族主義の鼓吹
まず、国家利益の優先は帝国主義時代のドイツ(ナチス)、日本(天皇制国家)が代表的です。
自衛のための侵略行為を正当化した事で第二次世界大戦に繋がりました。
侵略の理由は自国で使っている通貨の経済圏を広めたかったのが挙げられます。
なにせ、国益のためなら武力を行使してもいいじゃない、と言う考え方です。
アメリカ・ファーストという言葉も自国第一主義の現れですよね。
次に労働者階級を押さえ込むのは、上記のアメリカのデモのように警察が権力を振りかざす、と言うより国民の意見を聞かないのがファシズムです。
独裁的で議会などで話し合う事を嫌う傾向があります。
最後の民族主義の鼓吹は、ヒトラー率いるナチスが顕著です。
アーリア人(ドイツ民族)が多彩で英知で有能な民族なんだ、という固定観念から、他の民族の血は自国には必要ないと説いたナチスはユダヤ人を迫害しまくりました。
トランプ大統領も会見の際にアフリカンアメリカンがいると、「なんで、ここに黒人がいるんだ?出ていけ」と言って追い出すように排他的です。
日本は軍国主義として国民を結束させるために神道を政治に活用しました。
僕は日本人であって日本の文化やアイデンティティを愛していますし、神道のように何でも受け入れる考え方です。
アフリカンの音楽も愛していて、ヨーロッパの料理も愛しています。
自分の意見に固執し続けるのは自分のためにも世のためにもならない事を歴史は教えてくれますよね。
そういうわけで、ファシズムと対を成すものがアンティファ。
主に、人種差別、性差別、同性愛者差別に抗議やデモをする団体を指します。
みんながみんな、広い心を持てる日はいつ来るんですかね?
差別の解消法は民族それぞれの歴史を学ぶ事だと思います。
それと全てを受け入れる心と姿勢。
それではこの辺で!SAYONARA!
コメント