コロンブスの卵とは?アメリカ大陸(西インド諸島)の航路の発見

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和訳初期時代
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どうも!

初めまして、Macaca Percussと申します!

当ブログでは「アメリカ大陸の歴史とブラックミュージックの変遷、及び貧しい環境の中から這い上がってきたInnovatorsの紹介」や「洋楽歌詞のコテコテ関西弁翻訳」などの企画を中心にまとめていく音楽関連のサイトとなっております。

 

そして今回はその記念すべき第一回目、現在のアメリカ大陸を興すきっかけとなったクリストファー・コロンブスについてお話しします。

題して『アメリカ大陸の破壊と再生、稲を植えれば雑草を引っこ抜く』です。

要するに今回のテーマは犠牲と創生です。

記事の一番最後に今回のテーマに合わせた曲も紹介していますので、是非ご覧になってください!

 

さて、早速本題に入りますが、皆さんに質問です。

コロンブスの卵という言葉をご存知ですか?

 

先にその意味を申し上げておきますが、コロンブスの卵は柔軟な対応を心がけるということなんですね。

順に説明していきます。

 

アメリカ大陸の事をアジアと宣言したクリストファー・コロンブス。

彼がその航路を発見して帰還した時に式典が開かれたんですね。

その最中に起きた出来事からコロンブスの卵と言われています。

その祝いの式典には国王始め、多くの貴族らが集っていました。

すると、そこにはぐちぐち、毎日毎日、文句しか言わないような難儀なおっさんも一緒に出席していたんです。

そのおっさんは、英雄と褒め称えられているコロンブスの前でボソッとこう言います。

 

おっさん
おっさん

そんなもん、西に向かって船、出しとったら、誰でも辿り着けるやろが。

確実にその場の空気がしらけたでしょう。

しかし、コロンブスは思いもよらぬ行動をとります。

 

コロンブス
コロンブス

おい、おっさん。そんなん言うんやったら、ここにある卵、立たせてみぃや。できるんかいな?

そういっておっさんの前に卵を差し出しました。

おっさんは何度も挑戦しますが一向に立たせる事ができません。

見切ったコロンブスは「貸してみ。」と言い、卵のお尻の部分を軽く割って机の上に立たせました。

 

おっさん
おっさん

いやいやいや(笑)、兄ちゃん、それはないで。そないな方法やったらな、誰でも

コロンブス
コロンブス

そうやな。誰でもできるわな。でもな、

誰でも出来ることを一番最初にやるのは至難の技

なんやで。

と言った彼は静かに会場を去ったという話です。

おっさんの立場からすると、悔しくて悔しくて硬くなった握り拳が戻らないって感じでしょうけど、実際にこういった現場に遭遇した時、皆さんならどういった対応をするでしょうか?

結局のところ本人の器量次第ですが、窮地に立った時には焦らずに一呼吸置いてから物事を考えられるぐらいの余裕がいるのかもしれませんね。

 

という事でコロンブスの卵は

  • 可能だと思ったら一番最初に自分がやってみる(思いついたら即行動)
  • 逆転の発想を持つ(視野を広げていろんな角度から物事を捉える)

総じて「柔軟な対応をする」といった教訓でした。

 

実はこの卵話、コロンブスがとった行動よりも前(約100年ぐらい前)には既に存在していたみたいです。

この話を咄嗟に引き出せたのも、これまた柔軟な発想があったからだと言えるのではないでしょうか。

 

さて、ここからはアメリカ大陸の破壊と再生に入っていきます。

アメリカ大陸の航路を発見したコロンブスと聞くと響きはいいですが、歴史を紐解くとかなりおっかない人物でした。

 

彼を一言で言えば、「英雄の仮面を被った悪魔」ですね。

「アメリカ大陸に住んでいた住民の全てを奪い、私利私欲を満たすためには多くの犠牲もやむを得ない。」

という、貪欲な考えを持った人物でもあったんです。

 

個人的に学生の頃に思っていたのは、「アメリカ大陸を発見した偉大な人なんやな。」っていう認識で終わっていました。

 

実際のところは「アメリカ大陸の発見」ではなく「アメリカ大陸までの航路の発見」。

コロンブスが到着するまでに先住民がいてましたからね。 

あと、西洋人で初めてアメリカ大陸に辿り着いたというのも誤りみたいですよ。

既にヴァイキングと呼ばれるゲルマン人が北アメリカのニューファンドランド島(現カナダの一部)に到着していたみたいです。

それでは英雄の仮面を被った悪魔が築いた歴史を紐解いていきましょうか!

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純粋コロンブス

目次を4つのコロンブスに分けてみました。

それではまず初めに、クリストファー・コロンブスの生い立ちから見ていきましょう。

1451年頃に生まれ、1506年に亡くなったコロンブス、およそ55年の生涯でした。

船乗りに始まり、地図商人、そして探検家、征服者、奴隷商人へと変化していったようです。

 

イタリアのジェノヴァで生まれ育ち、10代から船乗りになりました。 

いつものように品物を運搬していたある日。

「バ!!!!!

 

いきなりコロンブスらの乗る商船に向かってフランス兵が奇襲をかけてきました。

そして船は沈没。

コロンブスは漂流物にしがみつき、岸を目指して泳ぎます。

辿り着いた地はポルトガルでした。

 

しかし、コロンブスにとってポルトガルに着いたのは不幸中の幸いでした。

というのも、コロンブスにはバルトロメという弟がいて、彼はポルトガルに居を構えていたんですね。

なのでとりあえず、彼の助けもあり、衣食住には困ることはありませんでした。

 

地図職人として生計を立てている弟の元で、共に地図の販売、作成に勤しみながらコロンブスは過ごしていきます。

そうこうしているうちに、コロンブスは航海の仕事に再び有り付けるようになりました。

 

幾年経つこと1479年、コロンブス28歳。

彼はポルトガルで結婚し、子宝にも恵まれました。

コロンブスの嫁は貴族の家系ということもあり、裕福な家庭で育ちました。

奥さんの父親は南アフリカの西側にある離れ島(ポルトガルの島)、マデイラ諸島を所有しており、コロンブス夫婦は度々その島に訪れました。

いわゆる別荘ですね。

そこで、ちょっとした事件が起こります。

 

ある日、コロンブスが島を散策している最中、1人の男性が浜辺に横たわっていました。

コロンブス
コロンブス

!!丈夫か!?

ッタッ………….

コロンブスは駆け寄り、安否の確認を済ますと、その男性は自身をポルトガルの交易船員だと言いました。

 

「航海中に… 嵐に遭ってしまい西の方に浮かんでいる島まで流された… そこで船を修理して… 再びポルトガル方面に向かったんだが…. 途中で船はボロボロになってしまい、ここまで流されてきた…」

 

その男性は数日後に息を引き取ってしまいましたが、コロンブスは彼が言っていた西の方に浮かぶ島の事がずっと気になっていました。 

コロンブス
コロンブス

ひょっと西の方に浮かぶってアジアの事か……

 

悶々としているコロンブスはその島の正体を自分の目で確かめるべく、大航海に必要な知識を片っ端から習得していきました。

天文学、地理学、それから交渉の為のスペイン語、さらにラテン語の基礎。

そして、最終的には地理に詳しい学者と文通をするまでに至りました。

 

当時、地理学の基になっていたのはマルコ・ポーロの東方見聞録。

これにはマルコ・ポーロが中国などの東アジアを訪れた際の旅の記録が書かれていましたが、日本においては自身の目で確認することはなく、人づてに聞いたものを記していたんですね。

東洋人
東洋人

あそこに行ったら、黄金が山ほど取れるらしいで。

 

それが日本、黄金の国ジパングとして記されていたんです。

もちろん、「この話はでたらめだ、そもそも黄金はあまり取れない」等の異説は存在しますが、西洋にこの話が広まっていたのは事実。

そのことから、コロンブスにも日本に対する憧れがあったみたいですね。

コロンブス
コロンブス

ングに行けば…手に入(ゴクリッ)

  

インドや中国、フィリピンなどにも興味があったコロンブス。

当然のように、アメリカ大陸の存在はコロンブスの頭の中にはありませんでした。

地理学者の大陸の概念も、ヨーロッパ・アジア・アフリカの3つで成り立っているとされていたんですね。

ですので、アメリカ大陸を無視して考えると、西洋からアジアまでの西廻りでの渡航はさほど時間がかからないものだろうと判断されていました。

このように、コロンブスは地理学者と話し合った上で、西廻りでアジアに行く事が可能だと判断して渡航に挑もうとしたのです。

かし!! この計画の最後の難関「渡航の資金」がコロンブスを苦しめるのでありました。

 

 

まず初めに、コロンブスが向かった先はポルトガルの国王のもと。

コロンブス
コロンブス

失礼します!前代未聞の西廻り航路からアジアを目指して土地、金銀、全てかっさらおうと思っているのですが、その際に私、一般市民なもんで、渡航の資金が足りなくてですね、少しばかり、いや結構な額なんですけども、援助していただけたらなと思いやって参りました。あ、とですね…アジアには、めちゃめちゃ金が埋まってるみたいなんですよ…。ってきますから、その10% 僕にいただけないですかね!?

あ!それと後1つの計画達成したら私にれなりの地位と権限もいただけないかと存じております。どうか、よろしくお願い致します🙇‍♂️

ポルトガル国王
ポルトガル国王

・・・ふむ、良いだろう。ただし!!!!一度、諮問委員会にこの話を投げてみる。そこで承認されたらこの計画を認めてやろう!!!!

 

そして法律上よろしい計画なのか議論した結果、否決

というのも、当時はこのような計画を提案する人は多く、可決にしても失敗に終わるパターンが相次いでいたみたいなんですね。

それを踏まえて考えると、コロンブスの義父の別荘の島に漂流されていたポルトガルの交易船員もその一人だった可能性が高いですね。

加えて、ポルトガルでは同時期に国家プロジェクトとして、南アフリカの航海が始まっていたみたいです。

そのため、資金をコロンブスに回せずに西航路の話は流れてしまったみたいです。

コロンブスは自費で航海するのであれば許可を出すと提案を受けましたが、彼は多額の借金を抱えていた為、到底無理な話でした。

悪党コロンブス

幾年経過、スペインにて。

やっとの思いで大航海の切符を手に入れたコロンブスですが、一番任せてはいけない人物だったのかもしれません。

大海原のように広がる彼の野心は、誰にも干渉をされないままゆっくりと波を打つのです。

というのも、ポルトガル国王に断られた後、お隣の国スペインの王様に頼んだ結果、可決にしてもらえたんですね。

そして、コロンブスの要求も合意され、さらには美味しい話までもらえたんです。

 

例えば、コロンブスが見つけた領土内では彼が海軍大将となり、軍の指揮権を得る事。

これは彼の指示でいつでも武力を行使できますよという意味。

また、その領地の副王にも任命されるので実質、見つけた土地の覇権はほぼほぼコロンブスのものになってしまいます。

それにコロンブスの要求の見つけた土地から奪った金銀の10%が彼の報酬になるというのが飽くなき欲望を駆り立ててしまい、無法地帯で秩序のかけらも無い新世界の幕開けとなってしまったのです。

 

1492年、まず到着したのがカリブ海に浮かぶバハマ諸島のサン・サルバドル島。

島に到着すると先住民がいました。

アラワク族といって主にカリブ海の島々や南米大陸の沿岸部で生活を営んでいる部族です。

彼らは暖かくコロンブスらを迎え入れました。

 

アラワク族が差し出したのは水、食糧、それに動物のオウム、草木で作った槍。

コロンブス
コロンブス

いやぁ、食糧とかはめっちゃありがたいんやけど、黄金はねぇのかよ、黄金は…

 

そう思いつつも、彼はお返しにガラスビーズや鈴を渡しました。

コロンブス
コロンブス

で、あんた達それだけかい?もっと….何か…そう煌びやかに光るものとかはこの島には無いのかね?

アラワク族
アラワク族

あるで!あるで!こんなんやったらあるけど、どう?綺麗でっしゃろ?

そう言って宝石などを取り出しました。

コロンブス
コロンブス

ほう…中々ええもん持ってるやんけ…。よし、お前ら!(仲間に)そいつとそいつとそいつ、とっ捕まえてくれ!

アラワク族
アラワク族

何するんですか!?手荒い真似はよしてください!!…離し…

コロンブス
コロンブス

よっしゃ、こいつら返して欲しかったら、もっと持ってこい。

そうして、コロンブス一行は金銀、宝石、真珠をアラワク族から奪取し、人質も返すこと無くサン・サルバドル島を後にしました。

ヤクザも顔負けのこの大胆な恐喝の手口。

これを駆使してあらゆる島に出向き、この島は俺のものという究極のジャイアニズムを振りかざしながら、先住民とその文化を丸ごと破滅に追い込むコロンブスの頭の中は「黄金」という文字だけが浮かんでいたのです。

 

そんな野心満々のコロンブス御一行が次に辿り着いた先は同じくカリブ海、西インド諸島の大アンティル諸島に属するキューバ。

そして次に向かった先がその隣島、イスパニョーラ島 

このイスパニョーラ島ではアメリカ大陸においてスペインでは初めてとなる植民地を開拓しました。

というのも訳があって、当初は探検のためだけに渡航したつもりだったのですが、この島に辿り着いた時に一隻の船が座礁してしまった為、その船の残骸を建築材料にして要塞を作り始めたんです。

悲しいかな、この様な時でもコロンブスの卵の様に柔軟な対応ができる人だったんですね。

当然、座礁した船の乗組員は帰ることができなくなってしまった為、彼らに島の開拓をお願いしてから、コロンブスらの乗る船は一度スペインに戻ることになります。

 

そして1493年、コロンブスが率いるスペイン軍の2回目の渡航の目的は「本格的な入植」でした。

コロンブス
コロンブス

もう要塞はできてるかなぁ♫どうなんだろう?ワクワクするなぁ♬

 

そして、植民地イスパニョーラ島に到着したのだが…

コロンブス
コロンブス

あれ?あいつらは?あれ?どこいっ…え!!!めちゃ死体転がっとるやん。いやいやいやいやぁ……ほんで…要塞ボロボロなってるし。いやぁ、これは参ったな。ほんで、これ全部あいつらの仕業かいな?アラワクっちゅう部族の。絶対、許さへんで。

 

そういった流れでスペイン植民者によるアラワク族の大虐殺が行われてしまいます。

部族を見つけた瞬間、所構わず刀を振りかざし、無差別に切り刻む。

さらに虐殺の後には金品を奪取し、逃げるインディヘナ(先住民)を追いかけ回す。

混乱する殺戮の中、慌てて逃げる野生動物までもを殺す。

 

アラワク族が入植者に対して抵抗したのは当然のことだと思います。

仲間が人質に取られ、島が急に占領され、金だせと脅され、このまま放っておくと民族と文化の破滅に追い込まれると危惧したことから選んだ防衛ですよね。

しかし、コロンブスらはこのアラワク族の必死の抵抗を名目に、次々と好き勝手に島を荒らしていきます。

 

ある者はインディヘナの手足を縛り上げ、石で殴り、木に吊し、黄金の在り処を吐くまで顔面を殴打し続けた。

別の物はインディヘナを強姦し、泣きじゃくるまで髪をひっぱり、頬を叩いては黄金の在り処を問いただした。

インディヘナの居住に火をつけては村から追い出し、飢餓や疫病に追い込んだ。

悲しいことに、この一連の襲撃は植民地を築き上げる上での常套手段になってしまいました。

この様なやり方でアメリカ全土がスペイン、ポルトガル、オランダ、フランス、イギリスの領地になっていったのですね。

 

一方その頃、植民地の進み具合を確かめるべく、スペイン国王はイスパニョーラ島に調査委員を派遣しました。

すると、島につくやいなや、ゴロゴロ転がった死体や焼け野原になった土地を見て調査委員は愕然としました。

調査委員
調査委員

コ、コロンブス君!!!ちょ、ちょっと、こっち来て。ねぇ君、やりすぎじゃない?さすがにこれはまずいよ。国王様に絶対叱られるよ。それに、部族は殺さないでって言われてたよね?もう〜…ひとまず頭冷やして、今日一旦スペインに戻ろう。国王様のとこに連れて行くから、そこで正直に一連の騒動、話してきなさい。

 

そうしてコロンブスは一旦スペインに帰り、国王に釈明をすることになります。

なんとか罪は免れたコロンブスですが、彼は虐殺について全く反省していませんでした。

むしろ、また別の手口を使って先住民から金を巻き上げる方法を考えていたのです。

 

再びイスパニョーラ島に降り立ったたコロンブスはインディヘナ(先住民)を捕まえ、彼らにこう言いました。

コロンブス
コロンブス

いいかー!!よく聞けぇ….お前ら殺されたくないよなぁ!?だったらよく聞けよぉ…これから3ヶ月に一度、黄金を納めてもらう。こっちでノルマの基準は決めるから、その基準に達しなかった連中は………手首を切り落とす!!嫌なら何がなんでも金銀を集める事。女も男も関係ないぞぉ。ほれいけ!!

その頃、コロンブスの弟、地図職人バルトロメがイスパニョーラ島に来ていました。

コロンブスは弟をこのイスパニョーラ島の統治者として任命して、自身はもう一度スペインに帰国することになります。

 

1498年、コロンブス47歳。

コロンブス率いるスペイン軍の3度目の航海の目的は領地の拡大。

彼が辿り着いた土地は南アメリカ大陸の北部にあるベネズエラでした。

少し沿岸部を探検してから、弟に任しておいたイスパニョーラ島を見に行くことにしました。

コロンブスは島に到着するやいなや、目を疑います。

なんと再びアラワク族による反乱が起きていて、植民地が混乱状態だったんですね。

スペイン入植者の鎮圧にコロンブスも加わっていると、抜き打ちで島にやってきていた調査委員と出くわし、コロンブスは取り押さえられて再びスペインに連行されてしまいます。

そして国王に事情を話して実刑は免れましたが、全ての地位の剥奪、イスパニョーラ島の出禁が命じられてしまいました。

失脚コロンブス

1502年、コロンブス49歳。

入植当初のように期待されていた姿は何処やら、信頼も失い、年齢と共に体力の衰えを感じていたコロンブスですが、彼はまだ野心を捨てきれずにいたのでした。

当時のイケイケの時代では見込みがあった為に資金は難なく調達できましたが、コロンブスの悪評も手伝って少しの出資額しか集まらなかったみたいです。

 

その為、国王が用意したのはボロボロの船。

4度目の渡航の幸先はよくありませんでした。

コロンブスはカリブ海に到着し、中米の最南に位置するパナマ付近を彷徨っていました。

すると、コロンブスらはハリケーンに遭遇し、難破。

救助隊に助けられてスペインに帰国するという歯痒い結末で彼の船乗り人生は幕を閉じました

享年55歳、最後は病気を患って静かに息を引き取ったそうです。

 

その後の世界的な流れとしては、植民地の開拓事業が西洋人の間で人気を博し、一攫千金を狙う者達がこぞって「アメリカ大陸」を目指しました。

いわゆる大航海時代というやつですね。

奴隷商人やら探検家らの需要が増え、植民地や船の管理が追いつけなくなってからは航海士制度が導入され、海を渡るには免許が必要となりました。

 

その免許の第一号取得者がアメリゴ・ヴェスプッチというコロンブスと同じくイタリア出身の航海士です。

彼は1503年に「新大陸」という論文を出版し、その論文が多くの学者に取り扱われた事から、1507年に彼の名前に因んで「アメリカ大陸」と呼ばれるようになったんですね。

因みに、コロンブスは生涯ずっとアメリカ大陸の事を「アジア」だと思っていたみたいです。

その名残として、カリブ海に浮かぶ島々の総称を西インド諸島と呼ぶみたいですね。

酷評コロンブス

少し尺長でしたが、コロンブスの大虐殺が入植時の常套手段になっていたとは思ってもいなかったですね。

私利私欲の為に正々堂々と虐殺を正当化する貪欲な精神は今じゃ有り得ないです。

ただ、色んな角度から見るとコロンブスはひょっとしたら必要悪だったのかもしれません。

それでも、石像にして彼を褒め称えるというのはいかがなものかなとも思います。

近年、アメリカ国内で相次いでいるコロンブス像の破壊も歴史を知れば納得できます。

 

インディアン(北米の先住民)、インディヘナ(南米の先住民)が土地を奪われたのは事実ですし、その後、植民地を拡大するにあたってアフリカンが奴隷として輸入されたのも事実ですよね。

それでも、今こうしてMacBookのキーボードを弾き、文章を作成しているのも、YouTubeで動画を見て勉強するのも、SNSを使ってマーケティング活動をするのも、アメリカ企業のおかげなんです。

 

カリブ海で育まれたReggaeはこの様な歴史を紐解いた上で反逆的であり、同時に平和と戦争がない愛のある世界を築いていこうというメッセージが込められた音楽なんです。

それがニューヨークに渡り、黒人の人権はどこにあるねんと説いた公民権運動を歌ったSoulと交わる事でHipHopが誕生したのも事実です。

なので、色んな見方があると思います。

 

確かにコロンブスの卵で言っていたように誰でもできる事を一番最初にやることは至難の技ですが、やり方に問題があったのだと思います。

僕たちは稲を生えれば雑草を引っこ抜いて生きている人間です。

生きていて幸せを感じる時は、同時に誰かは苦しんでいるんだと重々承知の上、感謝する心を忘れずに生きていたら、争い事は減るかもしれませんね。

 

さて、そろそろ曲紹介に参りたいのですが、10月12日はコロンブス・デーということもお知らせしておきます。

同時に、アメリカンインディアン運動(AIM)はこの日にデモを行うそうです。

先ほども申し上げましたが、先住民殺戮の責任者を称えるのはどうしても白人至上主義的な考え方であるのは間違いないです。

 

AIMのスポークスマンだったラッセル・ミーンズはこの様な言葉を残しています。

Russell Means
Russell Means

コロンブスは大西洋を横断した世界初の奴隷商人である。コロンブスの前では、アドルフ・ヒトラーはただの不良少年だ。

 

ラッセル・ミーンズはインディアンの顔として、このようなインパクトのある言葉を残しました。

恐らく、ラッセル・ミーンズはあまり日の目を浴びてこなかったインディアンの社会的な立ち位置を世界の人々に知って欲しいという思いから、このような発言に至ったのだと思います。

 

実際、アドルフ・ヒトラーは奴隷商人ではありませんが、多くのユダヤ人や反ナチ、共産主義、ソ連の捕虜、障害者やLGBTを隔離して、彼らにドイツの軍需品の製造のための強制労働をさせていました。

そして、そこでボロボロになった方々は、別の収容所に移送されて虐殺される、といったいかにも排他的で自国愛が強過ぎたあまりに起きてしまった惨事です。

また、ヒトラーが自国の経済を潤すためにポーランドに攻め込んだ事から第二次世界大戦が始まったのも事実です。

 

一方、インディアンに関しては自身の土地をコロンブス率いるスペイン軍を筆頭に、ポルトガル、オランダ、フランス、イギリスに奪われ、虐殺され、生き延びたインディアンはアメリカ大陸にある各国の植民地同士の内戦に参加させられた挙げ句、扇動されてはインディアン同士が潰し合いをするなど、白人至上主義者の都合のいいように扱われてきました。

僕からすると、コロンブスもヒトラーも差異なく悪人で、誠に勝手ながら許しがたい人物だと思います。

 

それでは最後に今回の記事の内容も踏まえた上でこの曲を紹介します。

この記事で何度も登場したイスパニョーラ島の西側、ハイチ出身のミュージシャンWyclef Jean[ワイクリフ・ジョーン]の『Sweetest Girl (Dollar Bill) feat. Akon, Lil Wayne, Niia 』です。

どうぞ。 

Wyclef Jean – Sweetest Girl (Dollar Bill) ft. Akon, Lil Wayne, Niia
Wyclef Jean
Wyclef Jean

Some live for the bill, Some kill for the bill

 

金のために生きる奴もおれば、金のために殺す奴もおる。

 

 

She whined for the bill, grind for the bill

 

彼女は金のために体をくねらせ、金のために体を売るんや。

 

 

Some steal for the bill, if they got to pay they bill

 

金のために盗む奴もおるけど、もしかしたら、そいつらは自分の支払いのために盗んどるかもしれへんなぁ。

 

 

Tonight Wyclef, Akon, Weezy on the bill

 

今晩、お金について俺とエイコンとリル・ウェインが語らせてもらうわ。

Wyclef Jean
Wyclef Jean

High school she was that girl that make me do the hula hoop around the gym

 

お前は高校ん時、体育館の周りで俺にフラフープさせるような女の子やったよなぁ。

 

 

Just to get a peek again, she’s a 10

 

10点満点のお前を振り向かせようとしてたわ。

 

 

High school she was that girl that make me do the hula hoop around the gym

 

お前はよう俺にフラフープやってくれ、言うてたもんなぁ。それ見てケタケタ笑ってたっけ?

 

 

Just to get a peek again, she’s a 10

 

とにかく俺は振り向かせたかったんよ。

 

 

Never thought she would come and work for the president Mr George Washington

 

まさかな、まさかお前が金のためにその仕事に就くとは思ってなかたわ。

 

  

「Where my money at?」

 

「俺の金、何処や?」

 

 

She thought he’d call

 

彼女は思うんよ、また彼が呼んでるわってな。

 

 

「Where my money at?」

 

「だから、俺の金は何処や言うてんねん!」

 

 

She had good day, bad day, sunny day, rainy day, all he wanna know is

 

彼女は良い日を送ってても、最悪な日でも、晴れ、雨、どんな時もあいつが

 

 

「Where my money at?」

 

「俺の金、何処じゃ!」

 

 

Closed legs don’t get fed, go out there and make my bread

 

股閉じとったら飯は食えへん、せやからウチが飯代、稼がなあかんねんって。

 

 

All he wanna know is 「Where my money at?」

 

また彼が言いよるわ、「俺の金は?」って。 

 

 

She ended up in a road car, bruised up, scarred hard

 

彼女は役目を果たすと、殴られては深い傷を残す。

 

 

All he wanna know is「Where my money at?」

 

それでも「金は?」と奴は問う。

 

 

She thought he’d call 「Where my money at?」

 

せやから彼女は思うんよ。彼がまた呼んでるわってな。

Akon
Akon

See, I’m a tell you like wu told me

 

Wu-Tangの言ってた事を教えたるわ。

 

 

Cash Rules Everything Around Me

 

金がこの世を支配しとるんや。(Wu-TangのC.R.E.A.Mから引用。Cash Rules Everything Around Meの頭文字)

 

 

Singin’ dollar, dollar bill yall

 

ほんなら、もう歌たれや、金、金、金って。ほら!

Akon
Akon

Pimpin’ get harder’ cause hoes got smarter

 

ポン引きも厳しいで。娼婦もかしこなってきよるからなぁ。

 

 

On the strip is somethin’ they don’t wanna be a part of

 

踊って稼げんのに、体売って金稼ぐなんかアホらしいやろぉ。

 

 

Rather be up in the club shakin’ for thug

 

むしろ、悪党のためにケツ降っとる方が稼げるど。

 

 

Get triple times the money and spending it like they wanna

 

3倍稼げて自由に使えるんやで。

 

 

They got the mind on the money, money on the mind

 

あいつらは金の事ばっかや。

 

 

They got the finger on the trigger hand on the nine

 

ほんで9mm銃の引き金に指、引っ掛けて待ってますわな。

 

 

See every day they feel struggle but stayin’ on they grind

 

こっちは毎日、辛い思いしながら働いてまんねん。

 

 

And ain’t nobody takin from us and that’s the bottom line

 

要するに、搾取されへん人間はおらんっちゅうこっちゃ。

 

 

But I know there’s a drop in the block

 

でもな、塀の中でも同じようなことが起こっとん俺は知っとんねん。

 

 

You move slow, you gettin’ pressure from cop

 

慎重に行動せぇよ。おまわりはずっとお前の事見てるんや。

 

 

You don’t know how not to lay low

 

中で殺されへん方法、知らんやろ。

 

Cause 25 to life is no joke

 

そこで25年、生きていかなあかんのはガチで辛いで。

 

 

To all my real gorillas thuggin’ on top of corners every day struggin’

 

毎日、街の隅に立って悪戦苦闘してる奴らに言うけど、

 

 

All the beautiful woman’s gettin’ money Washin’ them dollar bills like laundry

 

綺麗な女性は全員、丁寧にお金扱いよるがな。まるで洗濯屋みたいにな。

Akon
Akon

See, I’m a tell you like wu told me

 

Wu-Tangの言ってた事を教えたるわ。

 

 

Cash Rules Everything Around Me

 

金がこの世を支配しとるんや。(Wu-TangのC.R.E.A.Mから引用。因みcreamはcash rules everything around meの頭文字)

 

 

Singin’ dollar, dollar bill yall

 

ほんなら、もう歌たれや、金、金、金って。ほら!

Wyclef Jean
Wyclef Jean

Money, money, money… It drives the world crazy

 

金がこの狂った世界を動かしよんねん。

Lil Wayne
Lil Wayne

She used to be the sweetest girl

 

彼女はええ女やったな。

 

 

She used to be the sweetest girl ever

 

彼女はええ女やったねんけどなぁ、前までな。

 

 

whatever, now she likes sour amaretto

 

どうでもええねんけど、今はアマレット・サワー(amarettoはイタリアのアーモンド風味のリキュール)が好きらしいわ。

 

 

She wears a dress to the T like the letter

 

ほんで、彼女は “T字” のような形のドレス(Thong=Tバック)着てる。

 

 

And if you make it rain, she will under the weather

 

あと、もし俺が金の雨を降らすとしたら、彼女は二日酔いになるやろな。

 

 

She used to run track back in high school

 

高校ん時の話に戻るけど、彼女は陸上でトラック競技で走っててん。

 

 

Now she tricks on the track right by school

 

今は学校の近くのストリップクラブで曲(トラック)の上で企んでるけどな。

 

 

She take the loss cause she don’t wanna see her child lose 

 

彼女は自分の子供に辛い思いさせたくないから、身を削ってるねん。

 

 

So respect her or pay up for the time used

 

せやからな、敬意を払うか、もしくは彼女の時間にお金を払うたれや。

 

 

And then she runs to the pastor

 

あとな、彼女は走って牧師さんに会いにいくねん。

 

 

And he talks her there will be a new chapter

 

ほんなら、牧師さんは彼女に新しい未来が待ってるよって言いよるわ。

 

 

But she feds no different after

 

けどな、実際のところ何も変わらんねん。

 

 

And then she ask him 「Where my money at?」

 

ほんでまた聞きよる。「私の金、何処なん?」ってな。

有色人種の社会的な地位や就職難、移民問題にフォーカスした感慨深い曲でした。

娼婦や水商売、売人をテーマにした歌ですが、度々出てくる「where my money at?」がコロンブスを彷彿とさせます。

今も尚、アメリカ社会で孕んでいる人種間のトラブルの根元はコロンブスにあるのではないでしょうか?

ですが、皮肉なことにこのような侵略が無かったら、ブラックミュージックは誕生していなかったのかもしれません。

ですので、もっとブラックミュージックの奥深くを知るために飽くなき探究心を持って学んでいきたいと思ってます。

それでは、本日はこの辺で、おおきに!

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Munchies Lunch/Smoke Again – Jr. Hokusai (hip hop | chill trap | happy type beat | Instrumental)

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