毎度!
Macaca Percussです!
当ブログでは「アメリカ大陸の歴史とブラックミュージックの変遷、及び貧しい環境の中から這い上がってきたInnovatorsの紹介」や「洋楽歌詞のコテコテ関西弁翻訳」などの企画を中心にまとめていく音楽関連のサイトとなっております。
今回は現役Bloods、YGさんの新曲「Out On Bail」の和訳をしていきたいと思います。
「Out On Bail」の意味は「保釈金を払う」、または「留置所から離れる」事などを指します。
まず、保釈金というのは逮捕されてから判決が行われるまでの期間(要するに被告人の間)にお金を支払えば釈放されますよという制度ですよね。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、YGは2020年の1月末に逮捕されています。
彼の身に何が起こっていたのか改めて振り返ってみますね。
逮捕までの流れ
強盗などの容疑で逮捕されたYG、しかし、YGは無実を主張しています。
事の発端は2019年の7月頃に起きた銃撃事件。
事件の詳細は、飲酒検問を行っていた警官に一時停止を促されたキャデラックSUVの運転手、あるいは乗車していた人物がその警察に向かって銃を発砲した事。(いずれもYG本人ではありません。)
その後、銃撃戦とカーチェイスなり、その付近にいた通行人に流れ弾が当たって死亡させた事件になっています。
容疑者の1人が逮捕。
そして、次に疑いがかかったのがYG。
なぜなら、その犯人が使用していた車両の名義がYGの名前だったからなんですね。
そこから急遽、YG宅にガサが入り、今回の逮捕に繋がってしまいました。(2020年1月末)
ですが、なぜ強盗の容疑をかけられたのか、なぜ警察がこの事件に関与していると判断したのか、決定的な証拠はあったのか、など不可解な点が多いですよね。
実際のところ、YGの供述によれば、事件当日の深夜までハリウッドのスタジオでレコーディングをしていたそうで、事件が発生するまでは何も知らなかったと釈明しているそうです。
このような状況の中で語った彼の胸の内を私なりに解釈して和訳してみました。
Out On Bail【和訳】
Produced by Bouvé & Lil Rich

Woo
—–——–Hook—–——–
I’m out on bail, them motherfuckers tryna get me
ワシは保釈の身やさかいなあ、クソ野郎共はワシを捕まえたがっとる。
But I won’t tell, so with some time they tryna hit me
まあ、ワシは分かろうとせんやろな。なんでか言うたらな、お前らが毎度、ワシをぶとうとするからじゃ。
I’m innocent as fuck, but they tryna prove I’m guilty
ワシは当然、無実よ。じゃけれど、あんたらはワシを有罪にしたいねんのお。
These lawyers fees is crazy, thank God, I’m playin’ with milli’s
弁護士にかかる費用はホンマ阿呆らしいで、でも神様、有難うな。おかげでみんなと一緒に居てられるんよ。
In love with the streets, you by yourself when it get tricky
ワシはストリートを心の底から愛してるで、あんたも一筋縄で行かんような状況になったら分かるわ。
Beefin’ with my homies, all I think about is Nipsey
ワシらは仲間と一緒に戦うで、Nipsey Hussleの事を考えん日は無いさかいなぁ。
Usually sip tequila, but today I’m off the Henny
いっつもワシはテキーラを嗜むんやけど今日はヘネシーにしとこか。
Thinkin’ ‘bout Nipsey, nigga, had to get tipsy
Nipseyの事を考えんねん、のぉ、お前ら。ちと酔ってのお。
—–——–Verse1—–——–
Gave my heart to the gang, do it gang, it’s a no-go
ワシはギャングに命を捧げた男や、あんたもやらんかいって、いやいや、やめといた方がええで。
It’s some niggas from the gang that’ll do you for some promo
ワシがギャングじゃ言うてる奴らがぎょうさん宣伝、ラップ稼業しょうるのぉ。
This shit in my veins, I done tattoed the logo
まあ、ワシもその内の1人やけどな。刺青で記してるわ。
In court they gon’ judge me, he a mеmber, it’s fo’ sho-sho
ワシはもうじき奴らによって法廷で裁かれる、全然ええよ、どうぞどうぞ。
But I don’t care about what they think at all
まあ、気にせえへんわな。まず、あんたらの事は全く考えへんわ。
Camе in this world alone, I’ma leave alone, standin’ tall
ワシはこの世界に自分の足で入ったんやで。ワシのことは放っとれと胸張って言えんでぇ。
Chin up, chest poked out, like
ほら、元気出していくで。胸、張ったらんかい。
Chin up, chest poked out, like “Ah”
せやろ?胸張って歩いたらんかいや。しゃあ、かましたれ。
—–——–Pre Hook—–——–
My life be polar, polar
ワシの人生はなぁ、極端なんよ。
Ups and downs like a rollercoaster
登っては墜落するジェットコースターみたいなもんやで。
Chin up, chest out, ‘til it’s over, over
終わりが来るまでは気張っていくさかいなあ。
I can’t live this life sober
ワシの人生にシラフって言う文字はないでぇ。
—–——–Hook—–——–
I’m out on bail, them motherfuckers tryna get me
ワシは保釈の身やさかいなあ、クソ野郎共はワシを捕まえたがっとる。
But I won’t tell, so with some time they tryna hit me
まあ、ワシは分かろうとせんやろな。なんでか言うたらな、お前らが毎度、ワシをぶとうとするからじゃ。
I’m innocent as fuck, but they tryna prove I’m guilty
ワシは当然、無実よ。じゃけれど、あんたらはワシを有罪にしたいねんのお。
These lawyers fees is crazy, thank God, I’m playin’ with milli’s
弁護士にかかる費用はホンマ阿呆らしいで、でも神様、有難うな。おかげでみんなと一緒に居てられるんよ。
In love with the streets, you by yourself when it get tricky
ワシはストリートを心の底から愛してるで、あんたも一筋縄で行かんような状況になったら分かるわ。
Beefin’ with my homies, all I think about is Nipsey
ワシらは仲間と一緒に戦うで、Nipsey Hussleの事を考えん日は無いさかいなぁ。
Usually sip tequila, but today I’m off the Henny
いっつもワシはテキーラを嗜むんやけど今日はヘネシーにしとこか。
Thinkin’ ‘bout Nipsey, nigga, had to get tipsy
Nipseyの事を考えんねん、のぉ、お前ら。ほろ酔いでのお。
—–——–Verse2————-
Momma needin’ this and that, daddy needin’ this and that
オナゴも必要としてるし、野郎も必要としとる。
Lil’ brodie needin’ this and that, the homies needin’ this and that
弟分やら仲間、それから友達も必要としとんねん。

Brodieという言葉はBrotherとBuddy(親友の意味)を組み合わせた造語のよですね。ちなみに、アトランタで生まれたスラングだそうです。
My babymomma fussin’ back, I grab her hair and fuck her back
嫁はん(元嫁?)はうずうずしとるわ、ワシがあんたの髪を掴んで後ろから突いたるさかいな。
It’s a love and hate relationship, nigga be needin’ that
ワシらは愛し合って憎しみ合う関係やで、お前もワシを必要としとるっちゅうこっちゃのぉ。
Ayy, you can tell I’m fucked up in the head
ワシの頭ん中がイカれてもうてる事をあんたに教えたってもええど。
My niggas either broke, locked up or they dead
仲間は破産に追い込まれるか捕まるか、または死んでしまうか。
I can’t sleep at night, I’m bein’ watched by the feds
わしゃ、眠ることもできんがな。FBIがずっとちょろちょろしょおる。
Niggas cross me, all I know is fill ‘em up with lead
それに野郎共が鉛玉詰めてワシの首を狙っとる事ぐらいお見通しよ。
Fuck up, down bad, ten year bid with the label
くたばっとけ、んで地獄へ落ちろ。ワシのレーベルは10年ぐらい続いてんねん。それぐらい価値あるっちゅうこっちゃ。

YG率いる4Hunnidは2016年に設立されました。それ以前はPu$haz Inkという仮レーベルで活動。”Mustard on the beat, hoe!”が大流行した時期ですね。懐かしい。Ty Dolla $ignもメインストリームに頭角を現し始めた頃の話です。
I was the human sacrifice, ‘cause a nigga wasn’t able
ワシはいろんな連中を張り倒してきたで。なんでかいうたら、お前らがやらへんからやん。
The human sacrifice, now I’m why niggas is able
要するに人身御供や。せやから、今も尚ワシはここに居てる。

いろんな定義がありますが、ギャングは自身の縄張りを守る組織。Hoodを他のギャングに犯されないために、自らが街の維持を務めていると言及しているのでしょうか?
話はそれますが、人身御供については【こちらの記事】で詳しく説明しています。メキシコの歴史ですね。
To buy a watch, and hop on a yachty with everything paid for
時計買うたり、ヨットに乗ったり、銭は毎日、使うてまっせぇ。
—–——–Pre Hook—–——–
My life be polar, polar
ワシの人生はなぁ、極端なんよ。
Ups and downs like a rollercoaster
登っては墜落するジェットコースターみたいなもんやで。
Chin up, chest out, ‘til it’s over, over
終わりが来るまでは気張っていくさかいなあ。
I can’t live this life sober
ワシの人生にシラフって言う文字はないでぇ。
—–——–Hook—–——–
I’m out on bail, them motherfuckers tryna get me
ワシは保釈の身やさかいなあ、クソ野郎共はワシを捕まえたがっとる。
But I won’t tell, so with some time they tryna hit me
まあ、ワシは分かろうとせんやろな。なんでか言うたらな、お前らが毎度、ワシをぶとうとするからじゃ。
I’m innocent as fuck, but they tryna prove I’m guilty
ワシは当然、無実よ。じゃけれど、あんたらはワシを有罪にしたいねんのお。
These lawyers fees is crazy, thank God, I’m playin’ with milli’s
弁護士にかかる費用はホンマ阿呆らしいで、でも神様、有難うな。おかげでみんなと一緒に居てられるんよ。
In love with the streets, you by yourself when it get tricky
ワシはストリートを心の底から愛してるで、あんたも一筋縄で行かんような状況になったら分かるわ。
Beefin’ with my homies, all I think about is Nipsey
ワシらは仲間と一緒に戦うで、Nipsey Hussleの事を考えん日は無いさかいなぁ。
Usually sip tequila, but today I’m off the Henny
いっつもワシはテキーラを嗜むんやけど今日はヘネシーにしとこか。
Thinkin’ ‘bout Nipsey, nigga, had to get tipsy
Nipseyの事を考えんねん、のぉ、お前ら。ほろ酔いでのお。
—–——–Outro—–——–
My life be polar, polar
ワシの人生はなぁ、極端なんよ。
Ups and downs like a rollercoaster
登っては墜落するジェットコースターみたいなもんやで。
Chin up, chest out, ‘til it’s over, over
終わりが来るまでは気張っていくさかいなあ。
I can’t live this life sober
ワシの人生にシラフって言う文字はないでぇ。
新アルバムをDrop!
歌詞中でYGは毎度「あいつが撃とうとしている」と表現していますが、その理由としては2016年に自身がお尻を3発撃たれた事が原因だと思われます。また、2019年にはYG主催のイベントで発砲事件があったそうで、日常的に身の危険を感じてしまう銃社会での心境を語っているのと、先行リリースされていた『FTP』でのアメリカの警察の暴力に対しての言及だと思われますね。
The human sacrifice(人身御供)に関しては、『血で血を洗う』事を表現したと思われるのですが、憎しみの連鎖はいつの時代になっても絶えないものだということがひしひしと伝わってきます。
そんな血腥いYGのアルバム『My Life 4Hunnid』を皆さんも是非、聴かれてみては?
極道を歩む勇ましさと逞しさの裏には、『Surgery』や『War Scars』、『Thug Kry』などの痛みと悲しみ、それから先行リリースされていた『Laugh Now Kry Later!』などの前向きと思わせて心の底では泣いているような見栄と無常観を現したもの、ギャング色の強い『Blood Walk』などが収録されています。
歌詞を咀嚼しながらどんなアルバムになっているのかじっくり聴いていきたいですね。
それではまた次回、おおきに!
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